80歳までに約3人に1人が発症するといわれる「帯状疱疹」、予防接種として不活化ワクチン「シングリックス」を接種するとなんと「96.6%」もの発症予防効果が得られるとのこと。接種方法は筋肉注射で、間隔を2カ月以上空けて2回の接種が必要です。
この度、4月18日に1回目、7月13日に2回目の接種が完了したため、その副反応(副作用)の体験談を含めてこの記事に記録しておきます。
生ワクチン(ビケン)か不活化ワクチン(シングリックス)か
帯状疱疹のワクチンは2種類、生ワクチン「ビケン(乾燥弱毒生水痘ワクチン)」と、不活化ワクチン「シングリックス(乾燥組換え帯状疱疹ワクチン)」があり、医療機関の予約を取る前にどちらにするか決めておく必要があります。
「生ワクチン」は「皮下注射」で接種回数は「1回」、接種費用は「1万円程度」、一方の「不活化ワクチン」は「筋肉注射」で接種回数は「2回」、接種費用は「(2回で)4万円程度」。
生ワクチンのメリットは不活化ワクチンのに比べて安価かつ接種回数1回という手軽な点。但し、発症予防効果が「69.8%」と、不活化ワクチンの「96.6%」に劣り、持続性も「5年程度」と、不活化ワクチンの「10年程度」の半分の期間になるという点がデメリットです。
手軽に安く済ませたいなら「生ワクチン」、高くて2回予定を組む手間を惜しまず、出来るだけ発症を防ぎたいのなら「不活化ワクチン」という構図の二択になります。
比較検討した結果、今回は私は、不活化ワクチンの「シングリックス」の方を選択しました。
予防接種費用の一部を助成してもらえる自治体の制度を利用し自己負担は1回につき12,000円の出費
私が住む東京都小金井市では、帯状疱疹予防接種費用の一部を助成してもらえる制度があります。
生ワクチンの場合「1回当たり4,000円」、不活化ワクチンの場合「1回当たり10,000円」を助成してもらえます。さすがに完全無料、自己負担ゼロではなく、予防接種費用から、この助成額を差し引いた額については自己負担する必要があります。
私が受診した医療機関は「1回22,000円」の設定で10,000円の助成額が控除され、接種後に支払った自己負担額は「1回12,000円」でした。2回接種で計24,000円の出費となりました。
全国的に帯状疱疹の予防接種費用の一部助成を行なっている自治体は多いようです。助成対象年齢や助成内容は自治体によって微妙に異なる模様。詳しくは下記リスト等を参考に事前に情報収集をしてみるのがよさそうです。
帯状疱疹の予防接種費用は医療機関によって値段が違う
そもそもの帯状疱疹の予防接種費用ですが、医療機関によって金額が異なります。(以下はいずれも不活化ワクチンのシングリックス前提の情報です。)
小金井市のサイトにアップされていたPDF「実施医療機関一覧」をもとにいくつかの医療機関に問い合わせてみましたが、一番高いクリニックは「1回27,500円」でさらに初診・再診料も別途かかるとのこと。私が受診したクリニックより「1回5,500円」高く、2回で「11,000円」も出費が増えてしまうことになります。()
他に「1回26,000円」で予約時に先払いというところもありました。あとは「1回23,000円」「1回22,000円」がいくつか。
なお、生ワクチンかと不活化ワクチン、両方対応している医療機関が多いですが、一方しか対応していないところもあります。そのほとんどは不活化ワクチンのみ対応なのですが、前述のリストには1件、生ワクチンのみの医療機関もありました。
帯状疱疹の不活化ワクチン(シングリックス)接種1回目の副反応
1回目の接種日、事前に自治体の公式サイトからダウンロードしたPDF「帯状疱疹ワクチン予診票(不活化ワクチン)」に必要情報を記入しプリントアウトした用紙を持参しました。向かう直前に体温も測って記入します。保険証と、受診したことがある医療機関のため、診察券も提出しました。
筋肉注射といえば、近年は新型コロナのワクチンを思い出しますが、注射自体は短時間で、その痛みも同じような感じ。ほんの少し痛いくらいです。左上の上腕に打ってもらいました。
院内で少し様子を見た後、問題なければ1回分の自己負担分のみを支払って終了となりました。
接種してしばらくは何ともありませんでしたが、数時間後にまずは接種した上腕部の痛みが強まり、ブレインフォグの不快感が始まりました。午後の15時過ぎに接種したのですが、翌日早朝には発熱。熱が上昇している間の悪寒と倦怠感は非常にきついものがありました。
最高で38.2℃がピーク。その後、ロキソニン錠60mgがあったのでそれを飲むと次第に37℃前後へ戻りました。
関係あるかはわかりませんが、熱が下がった頃に今度はお腹をくだし、ビオフェルミンを飲んで治す一幕もありました。
副作用、副反応は接種日の翌々日にだいぶ改善し、大体、接種日の3日後には平常運転に復活できる感じでした。
2ヶ月後、帯状疱疹の不活化ワクチン(シングリックス)接種2回目の副反応は1回目より重い
それから2ヶ月が経ちました。というより、なかなか都合がつかず、もうまもなく3ヶ月が経とうとする直前に2回目の接種へ行くことができました。
乾燥組換え帯状疱疹ワクチン(不活化ワクチン)2回目の接種は、1回目の接種から2か月後に行います。2か月を超えた場合は、1回目の接種から6か月後までに2回目の接種を済ませてください。
小金井市公式サイト>帯状疱疹予防接種費用の一部を助成します
上記説明の通り、厳密に2ヶ月後ではなくても、2ヶ月を超えた場合は「1回目の接種から6ヶ月後まで」に2回目を接種すれば良いようです。6ヶ月以上経ったらどうすればいいんだろう、とも思いつつ、それは調べていません。3回打つのだろうか…。
2回目も1回目と段取りは同じです。予診票には1回目の接種日を記入する必要があります。
接種時に痛さなども同じで、もしかしたら2回目の方が副反応は少ないかなと淡い期待を抱いていたのですが、午前中に接種したその日の夕方、発熱が始まりました。接種した上腕部の痛みとブレインフォグ、倦怠感も1回目と同じように症状がありました。
熱は1回目より2回目の接種時の方がキツかったです。当日夜の体温は最高で38.6℃。ロキソニン錠60mgを飲んでも下がらず、ワクチン接種から1日半、最初の発熱から約24時間経っても38.6℃と高いまま。この間、37℃〜38.6℃をずっと行ったり来たり。
仕方ないので2回目のロキソニンを飲むと次第に熱が下がり始めました。接種日の翌々日、2日後の午前中に平熱へ。1回目より2回目の方が、平常に戻るのにプラス1日多くかかった印象です。
10年後はどうすればよいのか?
帯状疱疹の不活化ワクチン(シングリックス)の接種体験記は以上です。シングリックスの発症予防効果の持続性は「10年程度」とのことで、では10年後、10年を経過したらどうすればいいのか?それも気になりました。
シングリックス・・・9年~10年後を目安に再度接種していただくのがよいと思います。
目黒みらい内科クリニック>50歳以上の方へ~帯状疱疹予防ワクチン【水痘ワクチン/シングリックス®】のご案内~
上記のクリニックの説明によると、予防効果が切れるとされる期間を過ぎたら再度接種とのことです。但し、下記の通り、この「10年程度」という目安は、今後の検討(検証?)により、延長される可能性もあるようです。予想よりももっと効果が長く持続する可能性がある、ということのように読み取れます。
なおシングリックス®に関しては今もなお効果持続期間に関して検討されていますので、2回目接種のおすすめ時期が変わる可能性もありますことをご了承ください。
目黒みらい内科クリニック>50歳以上の方へ~帯状疱疹予防ワクチン【水痘ワクチン/シングリックス®】のご案内~
厚生労働省の公式サイト内にあったPDF「帯状疱疹ワクチンについて」の14ページには、「企業による臨床試験データにおいて、組換えワクチン接種から10年後の発症予防効果は73.2%(95%CI 46.9-87.6)であった」との記述があり、すでに今から10年以上前の接種した実例があるようです。
今後さらに10年が経過する間に、いろいろなデータが開示されてくると思われます。経過を見守りたいところです。
以上、帯状疱疹の予防接種、特に不活化ワクチン「シングリックス」の接種を検討されている方に少しでも参考になれば幸いです…😊
【関連リンク】
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