観た映画リストに『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』追加。2017年の米国映画。原題は『I, Tonya』。米国のフィギュアスケートのトーニャ・ハーディング選手の半生を描いた映画。アメリカ人で初めてトリプルアクセルを成功させ、2度のオリンピック代表選手となった方だそう。
- この選手の名前も、この事件のことも、全く知らない状態で観始めた。
- 映画館ではなく配信なので、微妙だったらすぐ停止し視聴をやめてしまえばいいとの考えで観始めたが、そのままのめり込めされた。フィギュアスケートが特に好きという訳ではなく、興味を持っている訳ではないのに、冒頭からぐいぐい引き込むシナリオ、演出、演技は素晴らしい。とりわけ導入部はトーニャの母親のキャラと役作りがその役割に大きく貢献していると思う。
- スケートリンクの上だと、すべての移動ショットが滑らかなドリー、ステディショットになるのはいいよなぁと感じた。もちろん、カメラ側も転ばないような配慮、技術、体力が必要だけど…。
- 全体を通し、演出、カメラワーク、撮影技法が好み。理想的な撮り方。
- カラクリを暴露するかのように、時折、カメラ目線で視聴者に語りかけるカットが登場する。下手したら白ける難しい演出だと思うけど、ギリギリ、上手い具合に成立させているのが見事。
- 権威主義的なスケート業界や司法がイヤに見えてくるシナリオであった。
- 最終的にはショーン・エッカートという太めの男性(トーニャの元夫、ジェフ・ギルーリーの友達)の存在に尽きる。現実も本当にこの通りだったとするならば、早い段階でショーンとの付き合いは断ち切るべきだったと思う。ショーンをずるずると巻き込んだジェフの問題だと感じる。ヤバい奴だと気づかなかったのだろうか…。
- 邦題に付加された「史上最大のスキャンダル」はちょっと大袈裟というか、いまいちマッチしていない印象。
- この映画について、トーニャ・ハーディング本人の感想を知りたかった。映画ジャーナリストの方によるこの記事「トーニャ・ハーディングは、自分の映画が作られることにどう反応したのか」が非常に興味深かった。
以上のような感想でした…😊
★★★★★|5