Microsoft Teams、Web会議で背景ぼかしや会議IDを利用するには有料のMicrosoft 365 サブスク契約が必須。個人用アカウントと職場アカウントは似て非なる

Web会議(オンライン会議)のツール、これまではGoogle MeetかZoomのいずれかで対応できていたのですが、今回初めてMicrosoft Teamsの指定がありました。

 機会があればできるだけ色々なものを試してみたい性分のため、Google MeetやZoomでも代替可能か尋ねることはせず、折角なのでMicrosoft Teamsの設定をしてみることにしました。

 Google MeetやZoomを使ってきたユーザーの感覚からすると、想像以上に手間取ったため、非Microsoft Teamsユーザーの視点で、実際に設定・操作してみて分かったことをこの記事に記録しておきます。おそらく、先々忘れた頃に、再び自分でも読む返すことがあるような気がしています…。

Teamsの背景ぼかし機能はWebブラウザ版は非対応。アプリ版なら利用可能。

 まずは何よりMicrosoft Teamsの公式サイトへ行き、TeamsのMac用アプリをダウンロードしインストールしました。いわゆるWebブラウザ版もあり、アプリをインストールしなくてもChrome等のブラウザ上で会議は可能ですが、個人的には一番重要な機能の一つ、背景ぼかし(バーチャル背景)が使えないという問題がありました(背景となるワークスペースが雑然とし過ぎていて絶対にお見せできないという事情…)。背景ぼかし機能はアプリ版であれば利用可能なのです。

 ログインには、WindowsのPCを使う際に以前から利用している個人のMicrosoft アカウントがあるため、それを利用しました。無事にログインでき、会議機能を中心に試しに使い始めてみたところ、ひとまずは問題なさそうです。背景ぼかし機能も使えます。

個人用Microsoftアカウントでは会議ID利用不可。「AADSTS500200」エラーコードで「職場または学校アカウント」が必要に。

 ところがここで問題発生。先様からメールでお送りいただいたMicrosoft Teams ミーティングに関する下記情報の「ここをクリックして会議に参加」からTeamsアプリへ遷移しても「AADSTS500200」のエラーコードが表示され、Teamsは使えません。

Microsoft Teams ミーティング
コンピュータ、モバイルアプリケーション、またはルームデバイスで参加する
ここをクリックして会議に参加してください

 メールには会議IDとパスコードも記載されていましたが、入力する項目がありません。

 調べた結果、Microsoftアカウントには「個人用アカウント」と「職場または学校アカウント」があり、「個人用アカウント」では会議ID形式は利用できないことが分かりました。

Teams の個人用アカウントを使用している場合は、会議出席依頼のリンクを使用するという方法でのみ、会議に参加することができます。

Microsoft Teams>よく寄せられる質問 ページ後段「Teams 会議 ID はどこにありますか?」に掲載あり

 また、エラーコード「AADSTS500200」は、この会議は個人用アカウントのログインでは利用できず、「職場または学校アカウント」でログインするようにとのアラートのようです。

職場または学校アカウントを作成するにはMicrosoft 365のサブスク契約が必要

 仕方ないので「職場または学校アカウント」を作成することにしましたが、これが非常に分かりづらい仕組みです。結論としては「Microsoft 365」のページへ行き、「1 か月間無料で試す」から新規アカウントを作成しました。

 同時に、半ば強制的にMicrosoft 365のサブスクリプション契約をしなければなりません。クレジットカード情報も入力しました。

個人アカウントと職場または学校のアカウントは統合不可能

 正直、今後もMicrosoftやWindowsを積極的に使うつもりはないので、できれば個人アカウントと同じメールアドレスで職場アカウントが作成できればとも思ったのですが、それはできません(できないことだらけ)。職場アカウント用の妙なメールアドレスを作らされることになりました。

 下記引用の通り、どうやっても、個人アカウントと職場または学校のアカウントを結合することはできない仕様なのです。

Microsoft と Microsoft 365 の職場または学校のアカウントを結合することはできますか?
いいえ。 個人用の Microsoft アカウントと Microsoft 365 の職場または学校のアカウントを結合することはできませんが、並行して使用することはできます。

Microsoft>どのアカウントを使用しますか?

 ここまで進んで職場アカウントでMicrosoft Teamsアプリにログインし、その状態で今回の会議のリンクから遷移した場合、問題なく会議が行える状態になりました。背景ぼかしも使えます。会議IDを入力する項目もありました。

 基本的な構造としては、下記画像の通り、必ず個人アカウントに基づいたログイン状態があり、その上で並列・追加として職場アカウントのログイン状態が起動するという仕様になっていました。個人の方にはやはり会議IDを入れる項目がありませんね…。

職場アカウントがあってもMicrosoft 365の有料のサブスク契約がないとMicrosoft Teamsアプリでの会議は利用不可

 さて、1 か月は無料とはいえ、2023/4/13までにキャンセルしないと自動的にサブスク課金状態に突入するとのこと。忘れて無用な支払が生じるのは嫌なので、すぐにキャンセルしてみました。「Microsoft 365 管理センター」で行います。

 上の画像にある「Office 365 E3 試用版」の「サブスクリプションの状態」が「アクティブ」ですが、キャンセル手続きをすると「無効」になります。

 サブスクをキャンセルしたからといって、職場アカウントまで削除されるわけではありませんので、この状態で再びMicrosoft Teamsアプリで今回の会議に入ろうとしました。しかし有効なサブスクがないので利用できないとのアラート。

 つまり必ずMicrosoft 365の有料サブスクを契約している状態でないと、法人間の会議はできないということでした。ただ、どうしても行いたい場合、先様から送られてきた会議メールのリンクから名前を入力し「今すぐ参加」を押下することで「ログインしない状態」で参加することは可能です。

 しかしログインしない状態ですと、なんと「背景ぼかしが使えない」という落とし穴がありました。

 そのため、今回は再度サブスクを有効にし、4/13までは利用することにしました。

まとめ

 箇条書き形式でまとめます。

  • Microsoft Teamsで背景ぼかしを利用するにはWebブラウザ版ではなくアプリ版が必要
  • アプリ版でもログインしていない状態で利用する場合、背景ぼかしは利用不可
  • 会議IDとパスワード形式の会議は個人用Microsoftアカウントでは利用不可
  • Microsoft 365の職場または学校アカウントでMicrosoft Teamsアプリを使うには有料のMicrosoft 365サブスクリプション契約が必須

 Google、Apple、Adobe、Amazon等とすでにサブスク契約があり、毎月もしくは年間契約の支払が生じている状況では、もうMicrosoftまで増やしたくないのが実情です。1 か月の無料期間後については、現実世界のワークスペースを片付けて、背景ぼかしなしで利用する覚悟、体制がベストのような気がしてきました。

 それにしても毎回思うのですが、Microsoftのサービス設計は本当にスマートじゃないなと感じます。愛用しているGoogle、Apple、Adobe、Amazon辺りに比べて、残念ながら個人的にはどうも思考も嗜好も合わないようです…😊


<関連リンク>

「組織用アカウント」と「個人アカウント」の避けられない混乱


 

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