MAにおいて「音楽的マスタリング」は行なわれないと考えた方が現実的、という話(TIPS)

映像制作時、「音楽」をオリジナル/書き下ろし/新録音等で制作する場合、音楽家は下記のような配慮をしてくれることが多分にあります。
自分が納品した音源はその後の「MA」において「マスタリング」してくれる訳だから、マスタリング直前の状態、つまりマスタリングしやすい状態の音源データで納品しよう、と。
しかし、現実的には、MAにおいて「音楽的マスタリング」の一部工程は行なわれないと考えた方が無難だと思います。

MAで(ほぼ)行われないこと(ほぼ期待しない方がよいこと)

  • イコライザー/コンプレッサーなどを用いた「音楽的マスタリング」

一方、下記はMAでも行われます

  • 各曲の音量を(その映像用途に適合する)適正レベルへ設定する(前後関係や全体俯瞰、演出上/聴感上の印象、ナレーションとのバランスなど含め)。
  • フェードイン、フェードアウトなど前後処理。
  • ナレーション/同録音/効果音などとのMIX。

したがって、音楽家は、MA時にEQやコンプなどで音楽的マスタリングをしてくれるとは考えず、それが必要な音楽/音源については、自らの段階で、すでに実施した上で納品すべきと考えます。

音楽業界において、レコーディングエンジニアとマスタリングエンジニアが原則、棲み分けられてきたのと同様、マスタリングエンジニアとMAエンジニア/ミキサーは、そもそもの求められているスキル、備わっているスキルが異なる、と考えた方が現実的です。(同じ音を扱う専門家として、お互い、最低限の大まかな知識はあると思いますが、実践の経験値はさすがにそれぞれ異なります。)

ハリウッド映画や予算の大きな案件では、優秀なスタジオやエンジニアが用意されており、例外はあるのでしょうが、少なくとも私が見てきた日本国内の一般的なポスプロのMA作業においては、このように感じます。

これに関連する出来事があったので自分の備忘録の意味も含めてメモ。
何かのご参考になれば幸いです。