今回、新しく「株式会社」を設立するにあたり、会社設立の手続きには「freee会社設立」を使うことにしました。
新しもの好きで、出来るだけスマートかつミニマルな方法を試してみたかった上、個人事業を始めた2015年から経理処理・確定申告にはずっとクラウド会計ソフト「freee」(フリー)を使ってきて馴染みがあるのも理由の一つです。
同じようにこれから会社を設立する予定の方や、法人化を検討されている方の参考になればと思い、会社設立手続きの詳細を記録し、公開していくことにしました。
今のところその予定がない方でも、一つのドキュメントとして追体験していただけると幸いです。
新アカウントを作成
すでに個人事業で使用中のfreeeのアカウントを、今回の会社設立に使えるのかどうか検索してみると、どうも無理なようです。freeeヘルプセンターによると、「freee会社設立で設立できる会社は1アカウントにつき1社まで」で、「別のメールアドレス」で別アカウントを発行する必要があるそうです。
早速、「freee会社設立」の「まずは無料登録」から進み、新アカウントを作成しました。
(個人の)印鑑登録証明書を取得しておくこと
続けて「定款・登記書類の作成に必要な情報の入力」というページへ進みます。
と、ここで問題発覚。というか、一時停止。
代表取締役個人の住所を入力する際、「住所は正確に印鑑証明書通りに入力してください」と注記されています。
?マークのポップヒントには「丁・番地・号などの表現も同一である必要があります」とも。
それは実際に印鑑登録証明書を取得してこないと分かりません…。
見込みで適当に入力して、あとで面倒な工程が発生するのはイヤなので、仕方なく入力を中断し、印鑑登録証明書を取りに行くことにしました。
さて、取得した印鑑登録証明書を見ると、丁・番地・号などの表記は微妙に想像と違った部分があったので、先に取得してきた良かったです。
なお、事前にネットで調べた限り、どうも2部は必要になるらしい情報が散見されたので、印鑑登録証明書は「2部」取得してきました。
取締役の任期
基本的な事項はすでに調査し決定済みだったのですが、「取締役の任期」については、この時点で改めて調べました。
非公開会社(株式譲渡制限会社)の場合、最長10年まで伸ばせるので、デフォルトの「2年」から「10年」に変更しました。
関連してメモっておきたい事項は次の通りです。
- 12年間、登記簿の変更が一切ないと「休眠会社」とみなされ、「みなし解散」させられてしまうのでこれ以上悠々とするのは注意…。
- かつての有限会社(特例有限会社)の場合、任期の規定はなかった。
- 取締役ごとに異なる任期を定めることは可能。
- そもそも取締役の任期の短縮(または伸長)は株主総会の特別決議によって変更可能、もしくは定款の変更。但し登記事項ではないので変更登記は不要。費用がかかる訳ではなく変更後の定款を保管しておけば良い。
事業の目的
「事業の目的を設定しましょう」の「自由入力」と書かれた欄には、代表的な業種が掲載されています。
事業の目的に業種も載せる必要があったっけ?と思ったら、ここで業種を選ぶと、それに見合った原稿の候補が右側にリストアップされます。あくまでサジェスト機能の一環でした…。
自前で先に原稿は完成していたので、それを入力し「追加+」ボタンを押して追加していきます。
「最後の項目「前(各)号に附帯関連する一切の事業」は自動入力されます。」と表示される通り、最後の項目は自動で入力され、細かい言い回しは変更はできません…。
いずれにせよ、「事業の目的」は事前に原稿を完成させておいた方が現実的な気がします。
公告の掲載方法
「公告の掲載方法」を決めます。
freeeとしては当然ながら「freee電子公告」推しです。
以前は年間1,000円だった時代があるようですが、現時点では「3,980 円/年(税抜)」と値上がりしています…。
freee電子公告で意外だったのは備考欄に載っている次の一文です。
「広く一般公開されるわけではなく、特に転載しない限りは「freee会社設立」の「freee電子公告」画面からのみ確認ができます」
余り広く知られたくないケースにおいては、かなり魅力的でもありますね。
公告方法に関する関連情報のメモです。
- 公告方法は定款の任意的記載事項なので定款に定めなくても良い。但し、その場合「官報に掲載」と解釈される(会社法第939条)。
- 公告方法を電子公告にし、自社サイトに掲載する方法の場合、「電子公告調査機関」に調査してもらわなければならず手間と費用がかかる。
- 「決算公告のみ」を電子公告にすることも可能。この場合は調査は必要ない(調査不要)。
「よって、公告の方法は官報で、決算公告のみインターネット決算公告にするのが一番安上がり」
正直、一番安上がりとされる最後の方法が一番合理的に見えます。
ただ、この時点で大きな疑問がありました。
「公告方法は官報で決算公告のみインターネット」に関する表記や、前述の事業目的の「最後の項目」を少し微修正したい場合、freee会社設立にそのような工程はあるのかどうか。このままfreee会社設立の通り進んでいくと、雛形通りの電子定款が完成してしまって、修正、カスタマイズの機会はないのではないか?という疑問です。
疑問を抱いたまま、公告の方法は「官報に掲載する」にし、印鑑も「自分で用意する」にして次のステップ(設立ステップへ進む)へ進みました。
その結果、疑問は晴れました。下記のような説明が載っていました。
記載内容を変更したい場合は入力ステップで修正するか、Wordをダウンロードし直接編集しましょう。
※基本的には入力ステップでの内容修正をおすすめしております。
ということで、Wordをダウンロードし、少し修正を加えることにしました。
freee会社設立でのページも遷移しましたし、長くなってしまうので、連載初回はここまでにします。続きは第2回へ。
なお、意外だったのは「営業電話」です。
freee会社設立に申し込むと、まだ何も着手していない状態でも、早速、freee会社設立の担当だという方から営業電話がかかってきます。メールも届きます。
手厚い電話サポートがあるそうです。
freeeはネットでスマートに手続きできるサービス、という印象だったので、この電話攻勢は正直、驚きました。
個人的には電話は不要かなという感想を持ちました…。
特に対応せず、そのまま手続きを進めていくと、翌日以降はかかってこなくなりました。
申し込んだ方は最初、驚かれるかもしれません…😊